三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

西村が悪いわけじゃない

 テレビや新聞に日々恐怖を煽られ「ゼロコロナでわしらを安心させてくれ」と合唱する高齢者の支持を得るためには「より厳しい対策」を打ち出すことが必要。でも、オリンピックは左翼政党との「係争案件」化して、やめるわけにはいかない。民間病院のコロナ病床を増やさせようにも、医師会(超有力な支持団体)が頑強に抵抗する。

 唯一うまく行っているのが「飲食店イジメ」。最初に「時短要請」をした時に、店主たちは受け入れた。「店の売上が減るのは辛いけど、コロナ感染を少しでも防ぐことにつながるなら協力しましょう」と言ってくれた。「時短要請」を延長した際にも従ってくれた。お! これはいけるじゃん。どんどん行こう。さらに「より厳しい対策」として、「酒類の終日提供禁止」を要請した。バーや居酒屋で「酒を出すな」というのは、八百屋に「野菜を売るな」、魚屋に「魚を売るな」というのと同じこと。営業を禁止するに等しい。それでも大半の飲食店は要請に応じた。

 さあ、高齢者にアピールだ。

「ゼロコロナに向けて、より厳しい政策を打ち出しました。その効果は目に見える形であらわれております。皆さんの周辺でも廃業したバーや居酒屋があるでしょう。それはさらに増えることでしょう。ゼロコロナ実現の日まで、がんばります。応援よろしくお願いいたします」

 ところが、ごく少数ながら要請に従わずに酒を出し続ける飲食店が出現した。時短要請にも従わない。酒を出さない店がガラガラなのとは対照的に、酒を出す店は大繁盛。「正直者が馬鹿を見る」をそのまま絵にした状態。「何とかしてくださいよ」と地元商工会(これも有力な支持団体)が地元選出議員に訴える。議員はそれを政権へ上げる。

 酒を出す店に中止を要請しても無駄。要請を拒否しての確信犯なのだから。反則金を課すならば、違憲訴訟を起こされる可能性もある。現にグローバル・ダイニングが東京都相手に起こしているような。

 そこで、頭の良い役人たちが知恵を出す。「酒の卸を締めて供給を停止すりゃいんじゃね?」「金融機関にも声をかけて融資を停止するとか言わせりゃさらに効くんじゃね?」

 そのことを馬鹿正直に発言した西村は、世論とマスコミの袋叩き。でも、西村が悪いわけじゃない。誰が悪いって、それは……