三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

魔法世界の歩きかた

 実のところ、日々の生活そのものが「魔法」に支配されてんだよな。今ここが、日本国東京都板橋区であること。そう思うことによる「安心」も「魔法」。一朝事あれば戦場と化す可能性すらあるのだが、そうは思わない。「魔法」で守られているから。

 ああ、これは橘玲だ。ホームレスを見つめる紳士は「魔法」なんか耳糞ほども信じちゃいないだろう。戦場における兵士と同様に。「日曜日には教会に皆勤してた自分だから、神様に守られている」と信じて、塹壕から立ち上がった瞬間にヘッドショット食らって死ぬわけだ。そうでなくても死ぬ。あらゆるキッカケで死ぬ。道歩いてて段差で蹴躓いたくらいであっさり死ぬ。それが人間。その人間が生きている世界こそが地獄。

 そっか。今現在自分が生きている世界が、地獄じゃない、と信じること自体が「魔法」支配下にあるちうことなんだ。これは、しっかりと覚えておきたい。

 それは「善い魔法」なのだろう。人間が互いに傷つけ合わずに平和共存するための。でも「魔法」であり、現実ではない以上、破れる瞬間は確実にある。そこで現出する現実すなわち地獄。鬼が亡者を苛む。苛まれる亡者が苦しむのはもちろん、苛む鬼も苦しむ、出口無しの、まさに地獄。それを理解した上で、「善い魔法」を守ろうとするのが現在日本の「賢者」。自分がワナビーするところの。難しいですけどね。