三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

バブルについて、もちっと考えてみる

 80年代バブルの原因は「ドル防衛」と「土地神話」であると分かった。

 後知恵ではいくらでも言えるけど、ドル防衛は必要だった。アメリカの属国ちうか保護国である日本に限らず、ドルが紙くずになったら、資本主義世界が丸ごと崩壊する。

 土地神話については、百姓の国である日本古来のもの。でも、土地=食糧生産手段だった江戸時代以前じゃ「一所懸命」で守るのが当然だったが、近代以降はそうじゃない。工場でモノ作って得た金で食糧を買えるし、金を生み出すのが工業じゃなく、サービスやITだってかまわない。土地は必須じゃない。

 なのに「土地神話」は残った。庶民においても「持ち家志向」ちうか「信仰」として。

 自分がリーマンになったのは82年だが、当時の常識は、サラリーから貯金して(住宅財形など)、頭金作って、結婚を機に手頃な中古マンションを買う。何年か住んでるうちに価格が上がるから、それを売ってローンを精算。残りを頭金にして、郊外に新築マンションか戸建てを買う。そこでこどもを育てる、というものだった。

 その「持ち家」こそが資産である、と。地価が上がることはあっても、下がることはない。「土地神話」を信じてたわけだ。

 バブルが崩壊した後も、その「感覚」は残ってた。だから95年に半億円ものマンションをローン組んで買っちまったわけよ。数年後に資産価値が2000万以上下がるなんて、夢にも思わずに。

 今はもう誰も「土地神話」なんざ信じちゃいない。少なくとも「何を買っても上がる」なんて誰一人思っちゃいない。それが正しい。健全な感覚。

 前川レポートが想定してなかったのは、少子高齢。現役世代が減って高齢者ばかりになれば、生産性が低下する。人口が減れば内需は縮小する。企業の売り上げも利益も右肩下がり。国富全体が減少する。

 で、今現在の日経平均3万円超えが「バブル」かと言えば、多分違う。武漢肺炎対策の巨額のマネーが、他に行き場がなく株式市場に流れこんできたから。実体経済が悪化してるなら、武漢が片づいたら回復する。マネーが株式市場から実体経済に回って、株価は一時的に下落するが、各企業の業績が回復し、株価を下支えする。結果、暴落は起こらない。…多分。

 じゃっかんの調整はあるだろうし、それ以前に上がりすぎはせんと思う。せいぜい3万3000円くらい? バブル期の高値更新はないと思う。そんな「元気」はないでしょう。ダウナス史上最高を更新中のアメリカとは違って。