三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

さらにあれこれ考えてみる

「男の乱交脳/女の純愛脳」を創作物レベルで考えてみる。

 女が主人公でも、男を次々に「食って」いくという、サドの「ジュリエット物語」みたいなのは「男の理想」。吾妻ひでおやけくそ天使」の阿素湖素子もそう。ドミナ100人にいじめ抜かれたいという「M男の星(仮題)」も「男の理想」。どんなシチュであれ、性別が逆転してても、男は数こなしてナンボなのよ。

 さらに広く「遍歴もの」も「男仕様」であり、女受けは難しいのかもしれない。林芙美子「放浪記」はどうよ、とも思うが。ブラック・スワンちうやつでしょう。多分。

 最近はどうかしらんが、昔は「女千人斬り」的エッセイが多々あったように思う。全国各地、さらに世界各地で女を買った感想を記す、とかさ。確実な需要があったのだろう。ああそうだ「世界なんちゃらホモの旅」というのを最近見かけた。逆に、筆の立つ娼婦が「男千人斬り」的エッセイを書いた例があったのだろうか? 寡聞にして知らん。

 男は女に他の男と比較されることを病的に嫌う。さらに托卵=ネトラレ可能性など想像するのも嫌。前に書いた「ブレイブハート」にしても、凌遅刑にされる英雄メル・ギブソンよか、ネトラレイングランド王に感情移入して、嫌な気持ちになった男が相当数いるように思う。

 んー、あれこれ格段に見通しが良くなったように思う。錯覚かもしれんがね(笑)

 高橋留美子がサンデーの女王となったのは「男脳」だったから。「うる星」も「らんま」もハーレム展開が基本構造。それが「めぞん」で「女脳」的純愛路線に切り替えたのが、まさに天才だったのかも。でも、ホントに「純愛」なら、五代はソープで童貞捨ててないし、響子との初体験でちゃんと勃ったと思うが。そうじゃない五代を描かざるを得なかったところが、「男脳」で、「純愛」を裏切るとまでは言わんが、複層化した。それは三鷹も同様で、犬娘にハメられて退場した。ホントに「女脳」なら、響子が三鷹の種で生んだ子を五代が育てる、てな展開があり得た。読者ドン引きだっただろうが。

 まんがなら本宮ひろ志俺の空」が古典的で分かりやすい。女遍歴を重ねることによって成長する主人公。まさに「男の理想」。柳沢きみおあだち充村生ミオその他の「ラブコメ」でも本質は一緒。セックスしないというだけで、常に複数の女が関係する。サブヒロイン相手の「裸を見る」的ラッキースケベは必須で、それがセックスの代わり。

「女子校部活アニメ」全盛も、ネトラレ恐怖で説明可能。作品世界に男が一人もいなければ、それはまんま視聴者であるオタクが、手当たりしだいにやりまくれるハーレム世界となる。本編じゃ無理でも薄い本が助けてくれる(笑)

 ああそうか。「男の理想」のハーレムが3人以上の多数で「乱交」可能なのに対し、「女の理想」のBLはあくまで1対1のスラッシュ関係で「純愛」。見える、見えるぞ(笑)

 も一つ見えた。嫌な展開。高校のチアリーダーだったヒロイン(アルファ)は、サッカー部のエース(アルファ)と結婚し、こどもを生む。エースは事故死する。主人公(オタクすなわち草、土、背景)は、10年後の同窓会で、かつての憧れのヒロインと再会し、結婚する。ヒロインにとっては「女の理想」。そこに主人公の「男の理想」を重ねるなら、やがて成長した「血のつながらない娘」とのセックスだ。家庭内ハーレム。娘が複数ならさらに良し、と。…地獄だな。

 古事記に記された「国津罪」の一つに「母娘丼」があることを思えば、「血縁」かどうかは無関係の、問答無用の重罪だろう。でも「男の理想」。だからこそのこの世の地獄。生き地獄。

 ああ、エウレカ。恐ろしいことに気がついてしまった。インセスト・タブーは「女脳」由来で、「男脳」には存在しないんだ。母親だろうが娘だろうがやりたい放題。姉妹なんてやって当たり前。後藤寿庵「少年帝国」を読めば、そのファンタジーが十分可能だと分かるだろう。でも、1対1の関係性を重視する「女脳」は親子きょうだいの秩序を乱すことを許さない。さらに疑似姉妹である「親友」も。姉妹が一人の男(当然アルファ)を争って、殺し合いになるなんざ、昔はいくらでもあった。「親友」同士もそう。それを防ぐためには、インセストは論外。アルファに対しては「姉妹」セットで嫁ぐ、と。それを拒否したニニギは「短命」の呪いを食らったわけだ。