三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「不安ファシズム」を憂慮する

 今回の武漢肺炎「空騒ぎ」で、「不安な人たち(多くは高齢者)」の思考パターンと行動パターンがよく分かった。

 データを自分で分析できない。それ以前に専門家が分析済みのデータを自分で評価できない。だから、誰かの評価をそのまんま受け入れる。多くはテレビ。キャスターが「東京の新規感染者が12日連続で100人を超えました」とお通夜口調で言い、不安を煽る音楽が煽れば、そのまま不安になる。

 不安なので、とにもかくにも何か行動しようとする。心理学的に「あるある症例」。武漢肺炎それ自体は自分じゃコントロール不能だが、自分自身の行動はコントロールできる。ゆえに積極的に「行動する」ことにより、事態をコントロールしようとする。

 だが、何をするかもテレビが頼り。「マスクが無い。トイレ紙が無い」と煽られれば、早朝からドラッグストア前に並ぶ。それを毎日繰り返して買い占め、半年一年分の「在庫」を確保する。「不要不急の外出自粛」と言われれば、唯々諾々と従う。「スーパーでの買い物は3日に1回」と百合子が言えば、その通りにする。

 で、ここからが「問題行動」なのだが、自分がやってることを「やってない人間」を非難し、告発する。マスク(買えないから)してない人間、遊び歩いてる(と見える)若者、休業要請に従わない店、特にパチンコ屋。

武漢肺炎の感染者が増加するのは、『あいつら』のせいだ」と。そして「あいつら」を排除するために、積極的行動を開始する。今日聞いたのは、どこぞの中学校のグラウンドで部活をやってたら、近所の人間(多分高齢者)が 110番通報して警察官が来た、と。正気とは思えん。

 また「空騒ぎじゃね?」的なことを言う有名人(ホリエモン小林よしのりその他)に対しては「元凶」認定。「そうした発言が『あいつら』を増殖させている」と。「武漢肺炎食らって死ねばいいのに」とのネット書き込みすら。もう、ファシズムそのもの。

 こういうのを見るにつけて、つくづく思うのは、「日本が銃社会じゃなくて良かった」ということ。武漢肺炎の死者の、軽く10倍レベルの死者が発生しかねない。逆に、現に「銃社会」のアメリカで、さほどの事件が発生していないという事実から「不安な人たち」の絶対数と存在率における日米格差を再確認する。