三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

武漢肺炎対策の失敗

 一番の「失策」は「高齢者の封じ込め」を行わなかったこと。武漢肺炎が「高齢者・持病持ち」に特に危険な感染症であることを知らしめ、当該セクタの人々に強く警告して「外出禁止」と「自己隔離」を求めるべきだった。

 それをやっていたならば、志村けんは死なずに済んだ。いや、志村個人は警告など馬耳東風で夜の町で遊び歩いて、同様の結果だったかもしれんが、警告により「救われた命」は確実にあっただろう。

 実際にやったのは、まず「小中学校、高校の休校」。次に「不要不急の外出の自粛要請」。意味が無かったとまでは言わんが、順序とやり方が間違っていた。

 まず、学童生徒は「低リスクセクタ」であり、規制の優先度は下の方だ。小中学生の場合「義務教育」の機会を剥奪するという、未来に重大な禍根を残す悪手であったことも指摘したい。

 また「外出自粛」だが、高齢者に特化して警告すべきだったのを、一般向けにしたことにより、「最大リスクセクタ」である「高齢者・持病持ち」へのアナウンス効果が希薄化した。その結果の一例だが、4月4日の巣鴨縁日には、都内や近県から多数の高齢者が集合して、大賑わいとなった。巨大な感染クラスタとなっていないことを祈るばかりだ。

 高齢者に対して「病院へ行くな」との警告も行うべきだった。実際には「不要不急の外出」から「通院」「薬局での買い物」等は、わざわざ具体例として除外されていた。その後、複数の病院で院内感染が発生し、何人もの高齢者が亡くなっている。「入院」「通院」などで、病院に関わったから、武漢肺炎に感染して重症化→死亡したわけだ。病院から遠ざかっていたら、死なずに済んだ。そもそもの「入院」「通院」目的だった疾病と、武漢肺炎とを比較して、どちらの危険度が高かったかは自明であろう。