三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

山内マリコ「メガネと放蕩娘」

 田舎町の商店街の実情をけっこうリアルに描いている。そうだよな。シャッター街と化すのは、それを「利」とする地元住民がいるから。対して「にぎやかな商店街」は、よそ者が抱いている昭和ノスタルジー。そんなもんにつきあってられるか、というのが地元民の正直な反応だろう。現に繁盛している商店街もあるわけでさ。板橋区大山とか、北区十条とか、品川区戸越とか。あれ? 全部東京じゃん。そっか、昭和ノスタルジーを味わいたい人間は、田舎なんてバイバイして、みんな東京に住めばいいんだ。その「昭和」ですら、過疎地はいくらでもあったわけでさ。田舎町にも「順番が来た」ということで無問題。

 それはそれとして「移民」は絶対必要不可欠だと思うに至った。レベルは問わない。日本来てくれて日本語勉強してくれて、そんで犯罪やらかさなきゃオケー。「犯罪」にしても不法滞在くらい目をつぶる。そういう連中が日本に住んで、まともに(合法的に)商売したり、工員やったり、リーマンしたりして、経済を支えてくれれば、日本の未来に薄日がさす。

 そのためにはインフラ整備だ。何よりも教育。小学生から英会話(「英語」じゃなくて!)を仕込んで、外国人と最低レベルのコミュニケーションがとれるようにする。移民の子も、ちゃんと学校に入れて義務教育を受けさせる。それが社会の安定につながる。

 でないと東京も「田舎町の商店街」と化してしまい、世界のどこにでもある「僻地」と変わらなくなってしまって「終わる」。永遠に。

 

メガネと放蕩娘 (文春e-book)

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