三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

ちょっと前の日本

「クールジャパン」とか信じる気になれないのは、プアーでロウアーでダーティーでナスティーなジャパンを身をもって体験してきているからだ。ほんの40年ほど昔のことでしかない。万年筆もクルマも石油ストーブも皆、欧米のメーカーの真似っこでパクりだった。江口寿史が「すすめパイレーツ」で「よくできているだろう、日本製のおもちゃさ」というギャグをかませたのは、70年代後半だが、その頃までの「日本製」は、まがい物の安物の代名詞だった。欧米に輸出できるのは「おもちゃ」くらいしかなかったわけだ。

 立ち小便も日本人の得意技だった。パリの路上で立ち小便をしてる男はどいつもこいつも日本人だった、なんて話があったのも70年代だ。狭っ苦しいトイレよりも、広々とした「外」で気持ちよくションベンしたい、という百姓の野良仕事感覚なのだ。

 だから、支那人のマナーの悪さを笑えない。支那はどんどん豊かになっていく。もう十年もすれば、現在の日本人もびっくりの洗練された国民性を自慢するようになるのかもしれない。「クールチャイナ」とか言って。その頃の日本人は、逆に没落して、成金の化けの皮は簡単に剥がれているだろう。貧すれば鈍すで、立ち小便国民に先祖返りしてるかもしれない。「先祖」はおおげさか。たかだか2世代前でしかない。