三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

半旗と「書」と

 こどもに誘われ、自転車散歩へ。風があり、やや肌寒いが、春めいた気候である。梅、沈丁花花盛り。路傍にはノゲシ。今季初めてナガミヒナゲシを見る。
 新宿から外苑西通りを走って六本木へ。新宿御苑裏手の交番に国旗が掲揚されているのを観て「祝日?」と思うが、よく観たら半旗だった。東日本大震災8年目である。死者行方不明者合わせて1万8000人以上の大惨事だった。だがしかし記憶の風化を心配する必要は無いだろう。「次の震災」は、そう遠い未来の話じゃないから。
 六本木通りに当たるちょっと手前で左折して、新国立美術館へ。このルートを自転車で走るのも、新国立を訪問するのも初めて。
「創玄展」なる書道展を観る。凄かった。美術造形でありつつ、言葉でもある「書」の迫力に圧倒された。言霊のエネルギーが燃え上がり、ギラギラと放射されている。
 ふと、下世話な想像をしたのだが、自分が別れた女が書道家で、留守宅に上がり込まれて壁に「死んでも許さない」と書いて真っ赤な落款まで押されていたら、それを見た瞬間に腰を抜かすだろう。また、見た目はそこらへんにいるごくフツーのおっさんおばさんなのだが、その「書」の凄まじさを見たら、内面の業に驚かされるだろう。
 この数年、左翼がそこかしこに貼りまくっていた、金子兜太アベ政治を許さない」もそうした「書」の一つなんだよな。とぐろ巻くルサンチマン