丸一日雨。明日も雨予報。だが、これがもしも雪だったら、と思うと暖冬に感謝すべきだろう。クルマもチャリも酷いことになったから。北国雪国ならともかく、東京じゃ。
梅花盛り。沈丁花も咲き始め、強い香りをそこかしこで感じる。今年の桜はどうだろう?
ちょと引用紹介。古井由吉「この道」より。
徒然の中に置かれるということはたしかに、紛るるかたもなく、物狂おしいほどのものだろうが、きわまれば自足に入るのではないか、何をする心あてもすっかりなくなれば、時間も空間もうながさなくなるので、何時何処にあるともつかぬようになる。それにつれて不思議な明視と明聴とが、これも実の要をなさなくなったところで、どこやらから降りてくる。何も見えない明視と、何も聞こえない明聴とが。軒から滴る雨の音も遠くはるかになり、軒も砌もなくなり、はてしもなく降る雨の中にただ居る心になる。